『モンスター上司』下ネタ炸裂しまくりなブラック・コメディ映画
ニックの悩みはパワハラ上司ハーケンだ。パワハラに8年間耐え、さらに最近は昇進をチラつかされて頑張ったが、結局いいように利用されただけだった。ブチ切れて転職を言い出したときも、嘘八百で邪魔するなどと脅されてしまう。
デールの悩みはセクハラ上司ジュリアだ。ドギツイ下ネタ発言どころか、上半身裸白衣すらやらかすアウトな女だ。さらには婚約者のいるデールを麻酔で眠らせて、自分との浮気写真の偽造もする始末。
カートの悩みはバカハラ上司ペリットだ。ペリットは急死した前社長の後を継ぎ社長になるが、非常識な言動がひどい。前社長は環境問題に気を遣って金を払っていたが、環境問題なんか知るか、とムダ金としてカットしようとする。
方向性は違えどモンスターな上司に悩む3人。限界を迎えた彼らは、にっくき上司を抹殺するべく行動を開始するが、トラブルが続出する――。
バカハラとは?
先述のカートの項目にあるバカハラとは本作独自の用語で、上司がバカ(非常識)すぎて苦労すること、らしい。
3人のモンスター上司はどれも違った方向で嫌らしい
ハーケンは典型的なパワハラ野郎で、ネチネチした感じが本当に嫌だ。ニックが祖母の死に目に立ち会えなかったことを持ち出したときに、祖母の呼び名について笑うシーンは、かなりイラッとする。
ペリットも会社を「金づる」呼ばわりするようなやつで、このままでは会社がつぶれるという危機感が湧く。
ジュリアからのセクハラについて被害を訴えても、被害者デールが友人カートに「そりゃ悩みじゃない」と言われる嫌なリアルさがある。
3人が受けるハラスメントは、見ていて嫌な気分になってしまう。だからこそ、視聴者もクソ上司どもが痛い目を見ることを期待し、復讐を誓う3人に肩入れできるのだけど。そして3バカがいろんなポカをやらかす。
下ネタと映画ネタで笑わせてくる作品
本作は、あまり大笑いはできないが、クスリとしてしまうような小ネタで笑わせてくるタイプの作品だ。ただし、セクハラ上司のジュリアを筆頭に全体的に下品なので、下ネタに耐性があることが必須だ。
また、ところどころ映画ネタが出てくる。洋画に詳しい人はニヤリとできるかも。