『真・女神転生 東京黙示録』ある意味面白い真面目な電波アニメ
アトラスの代名詞的ゲーム『真・女神転生』シリーズ。
メディアミックスも多数行われており、漫画『真・女神転生東京黙示録』や、漫画を元にした元にしたOVA『真・女神転生 東京黙示録』もその1つだ。
OVAの『真・女神転生 東京黙示録』は真面目な電波アニメで、ある意味面白かった。
あらすじ
元いじめられっ子の小林は、悪魔のガギソンとともにプレジデント・オセの復活をもくろみ暗躍する。
いろいろあった末に復活したオセを倒すべく、主人公・小次郎が立ち向かう――というのがあらすじ。
ツッコミどころのオンパレード
肝心の出来は、なんというか、ツッコミどころのオンパレード。全体的にストーリーは真面目でシリアスなのだが、いかんせん以下のとおりネタっぷりがすごい。
- やたら声が甲高い悪魔のガギソン
- 高校生のはずだが大学生にしか見えないキャラデザ
- 私服登校OKにしても派手すぎるモブ女たち
- 序盤で小次郎(男)が小林(男)を振るのだが、最後で唐突に両思いになる
- バーチャルワールドから始まる描写の雑さから来る超展開
- 小次郎を覚醒させるためになぜか服を脱いで小次郎の身体を舐める魔術師・京子
- 覚醒したら歌舞伎になる小次郎
- エンディングの「咲いてまた散り…散ってまた咲く…」を延々繰り返す謎ポエム
キャラデザ、作画、ダークな雰囲気などはいい
しかし本作にもいいところはある。
見た目と実年齢が合っていないだけで、キャラデザ自体の出来はいい。歌舞伎なんてなかった。
また、作画もOVAだけあって高いレベルで安定している。作品全体に流れるダークな雰囲気も、好きな人にはたまらないだろう。後半で台無しだが。
序盤の飛行機内での悪魔や街中でのケルベロスの描写や、悪魔に憑りつかれた女子高生が攻撃してくるというのも、単に悪魔が実体化して大暴れというより現実味があっていいと思う。最終的には実体化したオセが大暴れするが。
ネタアニメを笑える人向け
総評としては、キャラデザ、ダークな雰囲気、ケルベロス戦辺りまでのわりかし丁寧な描写など、いいところもあった。ここら辺に限れば、個人的には結構ポイントが高かった。
が、尺の問題か単にアニメスタッフの腕のせいか、途中からいろいろおかしくなってそのまま突き抜けたという印象。
いいところもあるにはあるが、それ以上に問題点が多い凡作未満の作品。ネタアニメを笑える人向けか。