『モンスター上司2』クソ上司から解放された3バカが今度は誘拐に手を染める!?
3人のおバカが悩みのタンである上司を抹殺するべく動く姿を、下ネタをたっぷり交えて描いたブラック・コメディ映画『モンスター上司』。
その続編に当たるのが『モンスター上司2』だ。
ネタバレになってしまうが、前作のラストで3人のおバカはモンスター上司から解放されている。
だというのに、本作では3バカがとある事情から誘拐に手を染めることになってしまう。そんな姿を、前作と同じく下ネタとユーモアたっぷりに描写している。
下ネタやブラックジョークが強烈なため、人を選ぶ作品なのは間違いない。しかし、そういう作風が好きな人には前作とセットで見てほしい。
- あらすじ
- シリーズの主人公、愛すべき(?)3バカ
- 上司じゃないけどモンスター!3バカをハメたハンソン親子
- モンスター上司はもういない?脇役ながらも前作から続投
- 自重しない過激な下ネタやブラックジョーク
- 警察が動いたおかげでテンポとエンタメ性がアップ!
- 前作のテーマが失われていることを受け入れられるか
- えげつない下ネタが大好物な人は前作も含めてオススメ
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あらすじ
Horrible Bosses 2 - Official Main Trailer [HD]
前作『モンスター上司』でとんでもない上司たちに絡まれたニック、デール、カートの3バカは、しょうもない発明をして起業スタート。
シャワーとシャンプーが同時にできるというシャワーヘッドは、現実的にはどう考えても売れっこないガラクタだ。
しかし、おバカな作風の『モンスター上司2』内では当然のように注目を浴び、テレビ番組に出演してスポンサーを募集する。
その結果、大手企業の社長バート・ハンソンと息子のレックス・ハンソンがしょうもない発明品に食いついた。取り引きはトントン拍子に進み、3人は借金をして設備を整えて人を雇い、製品を大量生産。
ついに納品……となるのだが、突然バートが取り引きを破棄する。3バカは莫大な借金と売れ残った製品を抱えることになってしまうのだが、これこそがバートの策略。
まともに取り引きをするなどなく、3バカをハメて製品と工場を奪おうと考えていたのだ。
かくして、お先真っ暗になってしまったニック、デール、カートの3人。なりふり構っていられない3バカは、レックスを誘拐してバートから金をふんだくろうと考えるのだがーー。
シリーズの主人公、愛すべき(?)3バカ
『モンスター上司』シリーズの主人公は、愛すべき(?)3人のバカたちだ。疑問符がつくのは、割と危ない言動が見られるからである。
ニックは3バカのリーダー的な立ち位置で、3バカの中では比較的頭脳派だ。あくまで3バカの中の話なので、作中ではニックもバカなことをやらかしまくる。
デールは3バカの中で一番身長が低く、ヒゲがトレードマーク。しょうもない発明をしたのはデールだ。3バカの中では一番扱いがひどいかもしれないが、奥さんとは仲が良く3つ子の父でもある。
カートはスケベ心丸出しで、セクハラ上司の素質がある。また、ニックがゲイと誤解されてでも特定の人物の気を引かなければいけない場面があるのだが、そのときに妙にはしゃいでいたのが印象的だ。
上司じゃないけどモンスター!3バカをハメたハンソン親子
前作『モンスター上司』では、ニックたち3バカの上司3人が倒すべき悪役として登場していた。
今作『モンスター上司2』では、上司ではないものの3バカをハメたハンソン親子がそのポジションに存在している。
父親のバート・ハンソンは経営者としては有能なようだが、金のためならどんな手段も取る極悪人だ。作中の描写を見る限りでは、本心では何よりも金が大事らしい。
息子のレックス・ハンソンは父親が金の亡者だからか、家政婦にパワハラ・モラハラをして楽しんだりと人格面で非常に問題がある。愛嬌もあるにはあるのだが……。
モンスター上司はもういない?脇役ながらも前作から続投
今作のタイトルは『モンスター上司2』で、確かに『モンスター上司』の続編だ。しかし、メインの悪役は前述のハンソン親子になっている。
では、今作ではモンスター上司はいないのだろうか? ニックたち3バカが起業したため元上司になっているし、メインの悪役ではなく脇役だが、それでも前作から続投している。
ニックの元上司であるハーケンの特技はパワハラだ。前作であれこれあったために今作では刑務所に在住だが、性根は変わっていない。
だが、ニックたちのずさんな取り引きへの批判内容を見るに、仕事自体はできるようだ。これで人格者だったら理想の上司だろうに……。
デールの元上司であるジュリアの特技はセクハラだ。美人でとてつもなく股が緩い。前作でデールに執心していた理由がついに明かされるが、しょうもない理由だった。
ちなみに、カートの元上司であるペリットは今作では不在だ。彼がなぜ登場しないのか、またハーケンがなぜ刑務所にいるのか気になる人は、ぜひ前作を見てほしい。
自重しない過激な下ネタやブラックジョーク
前作『モンスター上司』を視聴済みの方はご存じのとおり、本シリーズのウリは下ネタとブラックジョークだ。下ネタについてはことあるごとにぶちこんできており、本当に自重しない。
性器や性行為に関する言葉を連呼するのは序の口だ。性的な行為を連想させる動き、ジュリアとある男性の変態的な行為などもある。
前作視聴済みなら、家政婦がバカ息子のレックスに仕掛ける下ネタ的な復讐方法で大笑いできるだろう。
ブラックジョークもすさまじい。単純なネタの数なら下ネタの圧勝だが、過激さでは負けていない。
対中依存を皮肉った「アメリカンドリームは中国製」発言や黒人の蔑称ネタなど、1つ1つのネタが本当に強烈だ。後者の蔑称ネタは大丈夫なのかと本当にびっくりした。
警察が動いたおかげでテンポとエンタメ性がアップ!
前作『モンスター上司』では、ニックたち3バカが上司に復讐するために行き当たりばったりで行動していた。そのため、中盤ではグダグダになってしまい、中だるみを感じた。
今作でも割と行き当たりばったりなのだが、警察との対決という明確な違いがある。警察が関わる以上、3バカも素早く行動しなければならない。その結果、作品全体のテンポが良くなって中だるみを感じなくなった。
警察の関与はエンタメ性の向上にもつながっている。どっかで見た感じは否めないものの、クライムサスペンス的な要素が増えているのだ。
むろん、今作はブラック・コメディの『モンスター上司2』である。警察との駆け引きの真っ最中でも、しょうもないネタで笑わせに来てくれる。腹筋を鍛えるのには持ってこいか。
前作のテーマが失われていることを受け入れられるか
今作『モンスター上司2』は、テンポの良さやエンタメ性では前作を上回っている。そういう部分のおかげで、個人的には今作のほうが楽しめた。
ただし、「モンスター上司への復讐」という前作のテーマが失われてしまっている。
シリーズの原題は「Horrible Bosses(恐ろしい上司たち)」だが、当のモンスター上司はあくまで脇役だ。前作の終わり方を考えると、仕方ない部分ではあるのだが。
そのため、人によっては今作を『モンスター上司』の続編として受け入れられない可能性もある。
ちなみに、3バカが採用面接を実施していたときにカートがセクハラ上司になりかけていた。シリーズ名を踏まえると、3バカが上司になったらという方向で掘り進めたほうがよかったのでは、なんて余計なことを考えてしまう。
また、そういう作品だから仕方ないのだが、一部例外はいるけど登場人物がバカばっかりだ。本シリーズでは笑えるように描かれているが、それでも登場人物のバカさ加減にイラついてしまう人もいるようだ。
えげつない下ネタが大好物な人は前作も含めてオススメ
ニック、デール、カートの3バカが今度は上司ではなく取り引き相手に誘拐を企む姿を、コミカルかつブラックに描いた『モンスター上司2』。
復讐対象がモンスター上司ではなくなっているため、人によってはコレジャナイ感があるかもしれない。
しかし、かなりキツイ下ネタや過激なブラックジョークなど前作の魅力は残しつつ、よりエンタメ性が増している。えげつない下ネタが大好物な人なら、前作含めて見てほしい。
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