マンボウ映画レビュー記

Amazon Prime Videoで見られるホラー映画を中心に、適度にネタバレしつつレビューしています。たまにOVAや小説を取り上げることも。ライブドアブログより移行作業中。

『48時間』刑事とチンピラの凸凹コンビが凶悪犯を追うバディ・ムービー

1982年のアメリカの映画で、刑事と囚人がタッグを組んで凶悪犯を捕まえる刑事アクション『48時間』。
バディ・ムービーの傑作である本作は、荒くれ刑事とチンピラ囚人の関係性の変化こそが最大の見所だろう。
ちなみに、本作はエディ・マーフィーの映画デビュー作でもあったりする。あと、リメイクが決まっているらしい。

 


48時間 - 予告編

 

 

あらすじ

囚人アルバート・ガンズは、仲間の助けで野外労働中に脱獄する。かつての仲間の一人であるルーサーを脅し、レジーハモンドが隠した金を奪おうとする。

刑事ジャック・ケイツは、同僚とともに別件でとあるホテルを訪れる。しかしそのホテルにはガンズたちがいたため、銃撃戦が発生。娼婦やルーサーの恋人を盾にしたガンズたちは、ジャックの同僚2人を殺害して逃亡する。

単独捜査の許可を得たジャックは、ガンズ逮捕の協力を求めるため、監獄にいるレジーに会いに行く。最初は非協力的な態度のレジー。しかし、ガンズの名前を出した途端に反応が変わる。自ら捜査への協力を言い出し、自分を牢屋から出せと主張する。

かくして、ジャックとレジーは、ガンズ逮捕という同一の目的のために48時間限りのバディを組むことに。

 

凶悪犯を追うのは刑事と囚人の凸凹コンビ

主人公のジャック・ケイツは、白人の刑事である。直情気味でかなり喧嘩っ早く、最近では恋人とも口喧嘩をしてしまう始末。しかし、仕事には熱心である。

ジャックの相棒でもうひとりの主人公レジーハモンドは、飄々とした黒人のチンピラだ。別行動していたジャックを待っているときにクラブで遊んだりと、ちゃっかりしたところもある。

刑事と囚人の凸凹コンビが追うのは、アルバート・ガンズ。映画冒頭で看守を殺害して脱獄する。さらには警官殺しまでやらかす凶悪犯だ。

 

今見ると古臭さを感じる

1982年に公開された映画なので仕方ないが、至るところで古臭さが目立つ。映像や街の描写など。

ジャックのキャラ付けもそのひとつだ。昔だから問題なかったのだろうが、現代の感覚で見るときついものがあるかもしれない。粗暴な態度や暴言はしょっちゅうで、恋人や上司に怒鳴ることもある。レジーを釈放させるために公文書偽造までやらかしている

また、露骨な差別描写もある。単に当時の雰囲気を描写したもので、差別への問題提起という印象は受けなかった。そのため、人によってはただ不快なだけだろう。

しかし、今より差別がひどいであろう時代だったからこそ、白人のジャックと黒人のレジーの信頼がより際立つのも確かだ。

 

バディ・ムービーの傑作

捜査のため、レジーとバディを組むことになったジャック。しかし、成り行きで組んだとはいえ、最初のうちはバディのレジーにかなり辛辣な対応をする。

そんな2人の関係は、定番の殴り合いをきっかけに変わっていく。わかりやすい例が、レジーが銃をちょろまかしたときのジャックの反応だ。殴り合い前はすぐに銃を没収する。

しかし殴り合い後は、追っているガンズが凶悪犯ということもあり、信頼しているからこそなんだかんだ言って黙認する。刑事としてどうなのという部分は無視。

時間経過による2人の関係性の変化。これこそがバディ・ムービーである本作最大の魅力だろう。

 

アクション自体は平凡か

本作では、それなりに銃撃戦がある。しかし、もっと派手な現代のアクション映画に慣れていると、手に汗握らない感じである。平凡と言ってもいい。

というか、一部のアクションシーンについては、ジャックの行動がやはり刑事としてどうなのかと気になってしまう。今と昔では、刑事が銃で武装した犯人と対峙したときの対応方針が違ったりするのかもしれないが。

 

エディ・マーフィーの映画デビュー作

ジーを演じているのは、若かりし頃のエディ・マーフィーだ。本作はエディ・マーフィーの映画デビュー作でもある。そのためか、演技面では初々しさがある。

エディ・マーフィーの吹き替えと言えば、今では山寺宏一氏のイメージが強い。しかし、昔の日本テレビ版では下條アトム氏が担当している。下條アトム版、今聞くと逆に新鮮なのではないだろうか。

 

今見ると古臭さが気になるが、バディ・ムービーとしては良作

白人刑事と黒人のチンピラがタッグを組み、凶悪犯を追っかける本作。今見るといろいろな部分で古臭さを感じる。アクションシーンも魅力的は言い難い。

しかし、ジャックとレジーの関係性の変化と信頼の描写は、今見ても胸を熱くさせるものがある。荒っぽいジャックを受けいれられればという前提はあるが、バディ・ムービーが好きな人におすすめしたい。

 

48時間(吹替版)

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