『ザスーラ』とんでもボードゲーム再び!ジュマンジの精神的続編は宇宙が舞台
マスの内容が現実になるという、とんでもすごろく系ボードゲームが引き起こす騒動を描いた『ジュマンジ』。
『ジュマンジ』はシリーズ化されており、2017年12月にはアメリカで続編『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』が公開された。
他にも、マスの内容が現実になるという点が共通する、精神的続編も作られている。それが『ザスーラ』だ。
『ザスーラ』も『ジュマンジ』も、アメリカの児童文学作家クリス・ヴァン・オールズバーグの同名絵本が原作である。そのため、両作ともファミリー映画として作られた。
『ザスーラ』では、ボードゲームの開始とともに家ごと宇宙に飛び立つ。果たして、ゲームの参加者たちは無事に地球に帰還できるのか?
- あらすじ
- 仲がいいんだか悪いんだかわからない兄弟たち
- 2人の姉リサと謎の宇宙飛行士
- とんでもすごろく系ボードゲーム再び!今度は宇宙の旅
- 面白いが前作に比べるとこじんまりとした印象
- ファミリー向けとして十分に楽しめる
あらすじ
兄のウォルターと弟のダニーは、両親が離婚して以来、ことあるごとにケンカしてばかりの兄弟だった。
ある日、ダニーは家の地下から古びたボードゲームを発見する。すごろく系のボードゲームで、名をザスーラという。
ダニーは面白がって説明も読まずにゲームを開始する。しかし、流星群のマスに止まったとたん、本当に流星群が降ってきた!
さらに、気がつけば2人は家ごと宇宙に飛ばされていた。ザスーラはマスの内容を減じるにする、決して遊んではいけない闇のゲームだったのだ。
ウォルターとダニーの兄弟は、力を合わせてゲームをクリアし、無事に地球に帰ることができるのだろうか?
仲がいいんだか悪いんだかわからない兄弟たち
兄のウォルターは運動好きで、弟のダニーはインドア派のようだ。両親の離婚以降、対照的な2人はケンカしてばかり。
映画序盤でも、どちらが父親と遊ぶかで口ゲンカをする。他にも様々な場面で険悪なムードになってしまう。
けれど、いざというときは互いを気にかける。流星群が降ってきた直後も、ウォルターはダニーを安全な場所に誘導した。
仲がいいんだか悪いんだかわからない、凸凹コンビな幼い兄弟が『ザスーラ』の主役だ。
2人の姉リサと謎の宇宙飛行士
ボードゲームのザスーラをプレイするのはウォルターとダニーの2人だが、あと2人主要人物がいる。姉のリサと謎の宇宙飛行士だ。
リサはウォルターたちの姉なのだが、ザスーラのせいで冷凍睡眠することになる。要は氷漬けだ。一時的に冷凍されるだけ、かつ本人に凍っていた自覚がないのが救いか。
リサが凍っている間に、宇宙から1人の人物が家に流れ着く。自らを宇宙飛行士とだけ名乗る人物は、15年前にザスーラをプレイしてしまい、以来ずっと宇宙を漂っていたという。よく気が狂わなかったな。
その後、なんやかんやあったもののリサは無事に解凍され、ザスーラの危険性や家の外が宇宙というぶっとんだ現実を突きつけられてしまう。
かくして、4人は協力してゲームクリアを目指すことになる。
とんでもすごろく系ボードゲーム再び!今度は宇宙の旅
前作にあたる『ジュマンジ』では、ジャングルがテーマの超常的なトラブルが多数発生した。
本作のザスーラは、家ごと宇宙に飛ばされるということからわかるように、宇宙がテーマのボードゲームだ。
ボードゲームのマスに止まると、スロットからカードが吐き出される。そのカードにマスで起こる内容が書かれているというわけだ。
最初に現実になるマスの内容は流星群。小さな隕石が複数降ってくるもので、床板を簡単に貫通する。人体に当たったらと思うと嫌な予感しかしない。
ゾーガン星人という名のヒト型爬虫類も出てくる。人によってはレプティリアンと言ったほうが想像しやすいだろうか。いかにも狂暴そうな見た目をしており、宇宙飛行士も警戒していた。
『ジュマンジ』ではマイナスなイベントしかなかったが、『ザスーラ』ではそれ以外のイベントもある。数マス進むだけの平和なものから、願いをかなえてくれる流星が出てくることも。
もっとも、かなった願いはゲーム終了とともになかったことになってしまうのだが。
面白いが前作に比べるとこじんまりとした印象
ボードゲームのザスーラが巻き起こすトラブルは非常に凶悪だ。死人が出てもおかしくない。けれど、前作のジュマンジ同様に夢がある。
人によっては危険を承知でやりたくなってしまうかも。ただで宇宙旅行ができるという見方もできるし。
しかし、宇宙に飛び立った本作は、実際は家の中だけが舞台の大半となってしまった。家の外が宇宙だから出かけることができないのだ。
また、登場人物もほぼ4人だけである。この2点のため、前作と比べるとこじんまりとした印象を受けてしまう。
ウォルターたち兄弟関係の改善や宇宙飛行士の謎のような『ジュマンジ』を連想する面白いポイントもあるのだが。
ファミリー向けとして十分に楽しめる
宇宙を舞台にとんでもすごろく系ボードゲームを新たな騒動を巻き起こす『ザスーラ』。
物語の舞台が実質、家の中だけであり、登場人物がほぼ4人と少ない。そのため、前作『ジュマンジ』と比べるとこじんまりとした印象を受けてしまう。
けれど、宇宙を舞台にした新たな物語は『ジュマンジ』らしい夢のあるトラブルで満ちあふれている。ファミリー向けとして十分に楽しめる作品だ。
『ジュマンジ』が好きな人は1度見てみるといいかも。