『クローバーフィールド/HAKAISHA』一般人目線を意識したPOV形式の怪獣映画
一般人が撮影したビデオ映像を通して、未知の怪獣の恐怖を描いた怪獣映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』。
偽の企業ホームページや架空のニュース映像を利用した公式の巧みな宣伝によって、公開当時は非常に話題となった。
- 平凡な日々に突如として現れる怪獣
- POV形式で描かれる、一般市民から見た怪獣の脅威
- バカな登場人物にイライラ
- 要所では盛り上がるが、全体的には退屈
- 良い点もあるが、それ以上に欠点が目立つ
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平凡な日々に突如として現れる怪獣
バカップルの彼氏・ロブが栄転で日本へ行くことに決まった。そのため、ロブの兄であるジェイソンから頼まれたハッドは、餞別用のビデオレターを用意するべく、送別会の最中にロブの知り合いに声をかけていく。
ロブが元カノのベスと揉めたり、肝心のビデオレターの進捗が芳しくなかったりと多少の問題もあったが、それでも送別会は終わりへと近づいていった。
しかし突然、大規模な地震が発生する。
ロブたちは会場の外へ出ると、爆発を目撃する。爆発の影響で建物の破片や自由の女神の頭部が飛んできて、人々がパニックになる中、カメラは一体の巨大な怪獣の姿を捉える――。
POV形式で描かれる、一般市民から見た怪獣の脅威
怪獣や怪獣を退治する軍隊ではなく、翻弄される一般市民に焦点を当てたという点で、公開時点ではとても画期的だった本作。
ハンディビデオカメラを通した、登場人物の視点で描かれるPOV方式のため、要所では自分がその場にいるかのような緊迫感がある。
ただ、ブレまくる映像のせいで分かりづらい、画面酔いしやすいといった、この手の作品ならではの欠点も存在する。
バカな登場人物にイライラ
POV方式云々ではなく、単純に映画としての問題点も抱えている。主要な登場人物が見ていてイライラするのだ。
ラブラブという意味ではなく本当にバカにしか見えない痴話げんか系バカップルのロブとベス、デリカシーがなくゴシップ好きな撮影係のハッドと、見ていてイライラするキャラが多い。
元恋人を助けたい、避難したいけど友達を見捨てられないなど、彼らの行動理由自体は理解できるものだった。しかし描き方が悪いせいか、なんだか感情移入できなかった。
異常事態に巻き込まれてしまい、平常心ではないから仕方ない部分もあるが、それでももうちょいどうにかしてほしかった。
要所では盛り上がるが、全体的には退屈
要所では盛り上がる反面、それ以外のところは全体的に退屈に感じた。盛り上がる場面と退屈な場面の落差が大きいのだ。
地震で騒ぎが起こる前は、バカな人物たちのバカな揉め事しかないため、余計にストレスだった。
良い点もあるが、それ以上に欠点が目立つ
本作は怪獣映画にPOV方式を取り入れた、画期的な作品だ。撮影方式も相まって、極めて臨場感のあるシーンもある。
しかしそれ以上に欠点が多く、特に主要メンバーのバカっぷりは結構なストレスだ。良い点もあるだけに、非常にもったいなく感じた。
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