『コンジアム』心霊スポットとして有名な精神病院が舞台の韓国産POVホラー映画
世界的に有名な韓国の心霊スポット、コンジアム精神病院を舞台にしたPOV方式のホラー映画『コンジアム』。
韓国では大ヒットし、公開15日間で観客動員数が256万人を超えた。日本でも公開当時は結構話題になっていたと思う。
POV方式にありがちな悪い点があるものの、終盤にある怒とうの幽霊ラッシュは一見の価値あり。
YouTuberが廃墟探索をするというストーリーのため、そういった配信や動画が好きな人なら特におすすめだ。
- あらすじ
- タイトルのコンジアムとは?韓国の有名な精神病院
- 『コンジアム』はPOV方式の韓国産ホラー映画
- POVにありがちなキツイ身内ノリ
- 廃墟の不気味な雰囲気を堪能できる
- ポルターガイスト中心のホラー描写と終盤の幽霊ラッシュ
- 病院跡地の不気味で怖い雰囲気が存分に楽しめる
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あらすじ
YouTubeで恐怖動画を配信している人気チャンネル「ホラータイムズ」。
チャンネル運営者のウィ・ハジュンは、6人の一般参加者とともに廃墟へと向かう。その廃墟は韓国どころか世界的にも有名な心霊スポット・コンジアム精神病院だった。
コンジアム精神病院では、妙な物音やひとりでに閉まる扉などの異常が起こる。しかし、ハジュンたちは撮影を続行し、さらには降霊の儀式まで行ってしまう。
儀式の直後から心霊現象は激しさを増し、7人に襲い掛かる。果たして、ハジュンたちは無事に撮影を終えることができるのか。
タイトルのコンジアムとは?韓国の有名な精神病院
アメリカの有名ニュースチャンネルCNNは、世界7大禁断の地を発表したことがある。
その1つが韓国にある昆池岩(コンジアム)精神病院だ。正式名称は南陽精神病院らしい。
現在は閉鎖されており、廃墟と化している。閉院になった理由は「後継者がいなかったため」というのが有力のようだ。
にもかかわらず、今なお「患者が殺された」「院長が自殺した」など、多数の不吉な噂がささやかれている。
余談だが、世界7大禁断の地には日本の青木ヶ原樹海と軍艦島も選ばれている。気になる人はぜひ検索してみてほしい。
『コンジアム』はPOV方式の韓国産ホラー映画
韓国産ホラー映画である『コンジアム』の特徴は、POV方式という点だ。POVは「poin of view」の略称で、主観映像を意味する。本作は、YouTuberたちが廃墟に持ち込んだカメラの映像で物語が描かれるのだ。
POV方式は視聴者に現場にいるような臨場感を与えることができる。一方で、映像がブレまくるので見づらいという欠点もあり、人によってはカメラ酔いすることも。
POVにありがちなキツイ身内ノリ
POV方式では一般人が撮影したビデオという設定の都合上、エンタメ向きではないお友達グループの身内ノリが展開されることもある。
人気YouTuberを一般人とするかは微妙だが、本作の序盤でもパリピがバカやっているのがしばらく続くため、見ているのがややキツイ。そのせいで「早く天に召されればいいのに」なんてつい思ってしまう。
コンジアムに突入すると本格的に撮影が開始され、YouTuberたちも恐怖心のためか真面目になる。身内ノリのキツさは軽減されるので、それまでは我慢しよう。
反面、パニクって仲間同士で醜い言い争いをするという、これまたPOVの悪い面も。そのため、POV方式が嫌いな人にはおすすめできない。
廃墟の不気味な雰囲気を堪能できる
中盤からは、ついにコンジアム精神病院の中で撮影が開始される。ハジュンたちはお約束どおり夜中に病院に入っているため、視聴者は廃墟の不気味な雰囲気を堪能できる。
POV方式には難点がいろいろとあるが、廃墟探索の臨場感を味わうという意味では非常にマッチしている。
ポルターガイスト中心のホラー描写と終盤の幽霊ラッシュ
ホラー映画といえば、やはり怖いかどうかが肝心なところ。
『コンジアム』はどうかというと、物音で怖がらせる典型的なびっくり要素が多い。どこからか大きな音が聞こえたり、扉がいきなり勢いよくしまったりなどだ。YouTuberが大声で驚くという場面もある。
本作のホラー描写は、音がしたり扉が閉まったりというポルターガイスト現象が中心だ。7人がギャーギャー喚きながら物音に怖がる展開が多く、ややワンパターンな印象を受ける。
けれど、撮影中のビデオ映像がおかしくなるというPOVを活かした演出はよかった。
幽霊が直接出てきて……みたいな場面は終盤になるまでないのだが、だからこそ幽霊が姿を現したときの緊張感が増す。緩急をつけて巧みに恐怖心を煽りつつ、悪霊が次から次へと出てくるので見応えがあった。
また、ホラー表現とは異なるが、非常に簡素ながらも韓国流の降霊儀式は興味深かった。
病院跡地の不気味で怖い雰囲気が存分に楽しめる
良くも悪くもPOVらしいホラー映画な『コンジアム』。そのため、POV形式が苦手な人にはおすすめしにくい。
ホラー表現はポルターガイスト現象が多く、中盤まではややワンパターンな印象を受ける。しかし、その反動もあって終盤の幽霊ラッシュが非常に印象に残り、ホラー耐性に自信のある人は1度チャレンジしてほしいという気持ちもある。
特に、廃墟探索系のYouTuberが好きな人ならぜひ視聴してほしい。病院跡地の不気味で怖い雰囲気が存分に楽しめる。
映画そのものとは関係ないが、廃墟に乗り込んだり落書きしたりはマネしないように。不法侵入になるし、廃墟は幽霊がいなくても物理的に危険がいっぱいなのだから。
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