『ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない』復活したブロリーと成長した悟飯が激突!
『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』で登場し、圧倒的な強さと悪役っぷりで人気を集めたブロリー。前作で死んだと思われていたが、実は生きていた。
前作から7年後の本作『ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない』では、成長した悟飯が、復活したブロリーが再び激突する。
ブロリーの再登場や、戦いの決着が熱いという注目点はある。しかし、前作同様、脚本の出来はあまり良くない。そのため本作は、前作を視聴したブロリーの熱烈なファン向けという感じである。
- あらすじ
- 多少丸くなった?ブロリーの再登場
- スケールの小さくなった戦い
- ブロリーとの戦いの決着は熱い
- やっぱり脚本全体の完成度は高くない
- 魅力的な点はあるが、それ以上に脚本の出来が気になる
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あらすじ
前作で、みんなのパワーをもらった悟空によって倒されたはずのブロリー。しかし、ブロリーは生きており、脱出ポッドを使って地球の氷河へと降りていた。瀕死のブロリーは、氷河の中で氷漬けになる。
それから7年後、悟天とトランクスは、ミスター・サタンの娘ビーデルとともに、ドラゴンボールを探していた。手持ちのドラゴンボールは6つだ。
最後の1つを求めて3人がやってきたのは、氷河の広がる地域。そこは、ブロリーが氷漬けのまま眠っている場所だった。
多少丸くなった?ブロリーの再登場
12月5日(水)発売 「DRAGON BALL THE MOVIES Blu-ray ♯05」に収録「ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない」単巻DVD発売時のプロモーション用予告
前作で大暴れしたブロリー。本作ではどんな悪逆非道っぷりを魅せてくれるのか…と思いきや、かなり丸くなっている。
目覚めたばかりのブロリーは、やんちゃな悟天とトランクスの遊び相手になってくれる。トランクスたちとかくれんぼやプロレスごっこをするブロリーお兄さんの姿は、非常に微笑ましい。
さらに、悟飯と再開した際には、感極まって熱い抱擁を交わす。
…というのは嘘だが、ギャグ補正や子どもの悟天とトランクスが相手ということもあり、悟飯が出てくるまでは丸くなったと錯覚しそうな描写が続く。
いくらブロリーとはいえ、子ども2人を一方的にフルボッコにするのはよろしくないという判断なのだろう。大人の事情はわかるが、前作の悪逆非道なブロリーを期待すると物足りない。
悟飯が合流してからはブロリーも本領を発揮…と言いたいのだが、今作のブロリーは「カカロット」と言ってばかりである。どうやら前作で負けたせいで執着が増しているらしい。
とはいえ、悟飯を攻撃すると見せかけて悟天たちに攻撃を放つという、ブロリーらしい悪らつさもある。悟飯たちが危機的な状況に陥っているのだが、ブロリーらしさを認識して思わず安堵してしまった。
スケールの小さくなった戦い
ブロリー自身はぶれていないのだが、前作と比較すると本作はスケールが小さく感じる。
前作では、小惑星ベジータの危機やシャモ星人の話など、かなりスケールの大きな話だった。しかし本作は、地球の一地方で悟飯たちとブロリーが再び戦うだけの話である。
前作での描写を考えると、ブロリーを放置していたら地球が崩壊しかねないのはわかる。
だが本作では、地球規模の危機感を煽る描写がほとんど見られない。悟飯が登場するまではギャグ補正のせいで、悟天たちとブロリーがじゃれ合っているようにも思えてしまう。
悟飯とトランクスのやんちゃな姿自体は微笑ましいのだが……。
ブロリーとの戦いの決着は熱い
中盤からは、悟天たちの下へ駆けつけた悟飯と、悟飯をカカロット(悟空)と思い込んだブロリーとの戦いに移行する。
本作では悟空が亡くなっており、増援も見込めない状況のため、悟飯が一人で戦うことになる。悟飯も成長したとはいえ、相手はあのブロリー。当然苦戦する。
そんなとき、悟天の「助けて」という願いにドラゴンボールが呼応。ドラゴンボールが光を放つと、亡くなったはずの悟空が現れる。
それからの展開は非常に熱い。悟空たち親子3人が力を合わせてブロリーを倒すシーンは、本作最大の見せ場だ。前作のワンパンKOとは大違い。
やっぱり脚本全体の完成度は高くない
戦いの決着の出来は前作よりよくなったが、やっぱり脚本全体の完成度は高くない。
序盤で悟飯が「ブロリーを倒して」とドラゴンボールに願っているのだが、なぜか反応しない。作中ではその理由が語られることはなく、脚本の都合としか言いようがない。もう少しうまくごまかして欲しいものだ。
悟飯は中盤から登場するが、これといった伏線もなく突然の登場だ。前作に登場したクリリンも途中から現れるが、やはり伏線などはない。
ブロリーという魅力的な悪役の再登場、熱い戦いの決着と、面白くなる要素はある。だというのに、脚本がそういった要素を生かせていないのは残念だ。
魅力的な点はあるが、それ以上に脚本の出来が気になる
序盤の悟飯とトランクスがやんちゃしている姿は微笑ましい。本領を発揮したブロリーの悪役っぷりや圧倒的な強さは、やはり魅力的。戦いの決着の仕方には、たぎるものがある。
だというのに、作品全体で見ると、どうにも脚本の出来がよろしくない。大人の事情やら脚本の都合やらが透けすぎである。もうちょいどうにかならなかったのか。
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