『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』ブロリーの悪役っぷりとベジータのヘタレっぷりが印象的
劇場版オリジナルキャラクターのブロリーが初めて登場した『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』。
子ども向けでここまでやっていいのかと思うブロリーの悪役っぷりと、ベジータのキャラ崩壊レベルなヘタレっぷりが非常に印象的だ。
しかし、作品としては出来がいいとは言い難い。先述の2点の受け取り方が、本作への評価に直結するだろう。
劇場版 ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦 - Trailer
あらすじ
悟飯や亀仙人たちがお花見をしていると、パラガスと名乗るサイヤ人が現れる。彼は「ベジータを新惑星ベジータの王に迎え入れる」と言う。ベジータたちはパラガスの宇宙船に乗り込み、惑星ベジータへ向かうことに。
その頃、悟空は界王様から、宇宙で暴れている伝説の超サイヤ人の話を聞く。伝説の超サイヤ人らしき気を追った悟空がたどり着いたのは、悟飯やベジータたちのいる小惑星ベジータだった。
やがて、パラガスの息子のブロリーこそが、伝説の超サイヤ人だということが判明する。当のブロリーは大人しそうな青年だったが、悟空との出会いを機に暴走。悟空たちは、ブロリーを止めることができるのか――。
印象的なブロリーの悪役っぷりと圧倒的な強さ
12月5日(水)発売 「DRAGON BALL THE MOVIES Blu-ray ♯04」に収録「ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦」単巻DVD発売時のプロモーション用予告
本作の敵キャラ・ブロリーの悪役っぷりは、非常に印象的だ。
本作では、シャモ星人というオリジナルキャラたちが登場する。彼らは、パラガスやブロリーによって、故郷の惑星シャモから新惑星ベジータに連れてこられた被害者である。
ブロリーは、そんなシャモ星人に「母星に帰れるといいな」と言いつつ、惑星シャモを爆破する。この下りは、悪逆非道なブロリーのキャラを象徴した名シーンだ。
他にも、戦闘中にしれっとシャモ星人を虐殺していたりする。根っからの悪役っぷりは、いっそ清々しい。
ブロリーのもう1つの特徴は、圧倒的な強さだ。生半可な攻撃は通用せず、タイマンで悟空を一方的に叩きのめす。それどころか、悟空たち超サイヤ人を同時に相手しても、平然と圧倒する。
見事な悪役っぷりと圧倒的な強さ。この2つを持ち合わせたブロリーに魅せられたファンも少なくない。
ヘタレなベジータ
本作のもう1つの見どころは、ベジータのヘタレっぷりだ。本作のベジータはキャラ崩壊と言っていいほどヘタレており、ベジータファンからクレームが入りそうなほどだ。
しかし、ベジータのヘタレっぷりは、笑い飛ばせるのならネタとしてレベルが高い。
映画開始から35分くらいで、ブロリーの戦闘力を知ったベジータはヘタレモードに突入する。それから20分近く、悟空たちが必死で闘っているのにグダグダしている。
その後、みんなのパワーを悟空に集めるという展開になるが、そこでのグダグダっぷりも笑える。
最終的にベジータも協力するが、エベレスト並のプライドの高さのために、なかなか悟空にパワーを渡そうとしない。お前、死にたいのか。
バトル中に挟まれる寒いおふざけ
ブロリーとのバトル中に、酔っ払った亀仙人がふざける。好意的に見れば、シリアスな雰囲気ばっかりだと視聴者(特に子ども)が疲れるから息抜きのためだろう。しかし、実際にはダダ滑りで白けてしまう。
その後も、亀仙人たちはのんきに弁当や花見の話をする。ブロリーが大暴れしてヤバい状況なのにだ。当然、違和感しかなかった。
本作は全体的にギャグシーンが寒い。だが、序盤のお花見でクリリンが披露する「翼をください」は、一見ならぬ一聴の価値あり。なぜか演歌調だが。
違和感のある戦闘描写
ドラゴンボールといえばド派手なバトルが特徴だが、本作の場合、戦闘描写にも違和感がある。
ブロリーが遠距離攻撃をしかけているのに、なぜか愚直に真っ直ぐに走る悟空。避けたり瞬間移動を使ったりしないのだ。自分からサンドバッグになりに行っていたら、勝てるわけがない。
闘いの決着の仕方は、本作最大のツッコミだろう。みんなで闘ったのに勝てないほど強いブロリー。それなのに、ボコられて瀕死のみんなのパワーを悟空に集めたら、あっさりワンパンKO。雑すぎぃ!
悪役ブロリーとヘタレなベジータの受け取り方しだい
悪役ブロリーのキャラ性と、ベジータのキャラ崩壊とも取れるヘタレっぷり。その2つに価値を見いだせるかどうかで、本作への評価は大きく変わる。これらに興味がないのなら、本作に手を出すのはやめておいたほうがいいだろう。
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