『グレムリン2 新・種・誕・生』グレムリンとスタッフの悪ノリに満ちている
不思議な生き物モグワイとグレムリンに関する騒動を描いた『グレムリン』。
その続編で、1990年に公開されたのが『グレムリン2 新・種・誕・生』。
タイトルに「新種誕生」とあるように、薬品や遺伝子を摂取することで進化したグレムリンが多数出るのが本作の特徴だ。
しかし新種を含めたグレムリンの悪ノリ以上に、パロディーやメタフィクションなどのスタッフの悪ノリが目立つ作品だった。
- モグワイのギズモからグレムリン候補が生まれるまで
- そもそもモグワイとグレムリンとは?
- 凶暴ってどのくらい?グレムリンのやらかし例
- 因果応報!グレムリンの死に様例
- スタッフの悪ノリ!トランプいじりと社会風刺
- メタフィクションネタやパロディーも完備済み
- スタッフの悪ノリを気にせずにグレムリンの死に方を楽しもう
モグワイのギズモからグレムリン候補が生まれるまで
キモかわいい系の不思議生物モグワイであるギズモは、チャイナタウンで骨とう品店を営むミスター・ウィングとともに暮らしていた。
ある日、ミスター・ウィングの元に、やり手経営者のトランプクランプ会長の使いが現れる。
彼らはビル建設のために土地を買い取りたいと持ちかける。
ミスター・ウィングは断ったのだが、間を置かずに亡くなってしまう。そのため、骨とう品店は取り壊されることになった。
残されたギズモは店の外へと繰り出すが、怪しいおっさんに捕まってしまう。
場面変わって、クランプの所有する高層ビルのクランプ・センターでは、主人公でデザイナーのビリー、そして彼の恋人のケイトが働いていた。
ある日、ビリーは配達員が聞き覚えのある口笛を吹いていたのが気になったので尋ねた。
するとその配達員は「研究所で誰かが口笛を吹いていた」と言う。
ビル内にある研究所は動物実験のための遺伝子研究所で、ギズモもここで実験台にされようとしていた。
ビリーはギズモを助け出すことに成功するが、不慮の事故でギズモが水を浴びてしまい――。
そもそもモグワイとグレムリンとは?
本作は前作を見ていること前提の作品で、序盤にモグワイやグレムリンについての説明がなかったので、改めて調べてみた。
ノベライズ版の設定によると、はるか昔、宇宙の彼方で科学技術によって生み出された生物がモグワイとのことだ。
そんなモグワイには飼育するうえで、必ず守らなければならない以下の3>つのルールがある。
- 光に当ててはいけない
- 水をかけてはいけない
- 真夜中に食事させてはいけない
1. はモグワイを守るための注意だ。モグワイは光に弱く、太陽光に当たると死んでしまうのだ。
2. はモグワイの増殖を防ぐためだ。モグワイに水をかけると背中から毛玉が飛び出し、それが大きくなって別の個体になる。
これだけなら「かわいいモグワイが増えるならいいことでは?」と思う人もいるだろう。しかしこの方法で生まれたモグワイはやたらとイタズラ好きなのだ。それも割とシャレにならないレベルで。
そして 3. だが、これが一番守らないとヤバいルールだ。
12時過ぎに食事を取ると、モグワイはサナギになる。やがてサナギからキモかわいくない醜悪で凶暴なグレムリンが誕生する。人によってはキモかわいいかもしれんが。
凶暴ってどのくらい?グレムリンのやらかし例
というわけで、グレムリンのイタズラを超えたやらかし行為を見ていこう。
単純な方法だと、人間に襲いかかってかみ付いたり爪で引っかいたりする。被害者は複数いて、ビリーやクランプ会長もそのうちの一人だ。
サナギからかえった直後のグレムリンの一体は、ギズモをとっ捕まえて高圧電流を浴びせようとする。よく死ななかったな、ギズモ。
ある場面ではケイトがエレベーターに乗るが、そのエレベーターをおもちゃにしていた連中がいた。最終的に悪ノリが過ぎて、遊んでいた面々はエレベーターのかごごと落下して死亡する。よく死ななかったな、ケイト。
他にも色々なやらかしがあり、一歩間違えれば死人が出るレベルである。というか、少なくとも一人は死んだ。
因果応報!グレムリンの死に様例
先に挙げたエレベーターからの転落死以外にも、色んな方法でグレムリンたちは死亡している。
クランプ会長に襲いかかった個体は、書類を処分するためのシュレッダーに突っ込まれてミンチになった。
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コウモリの遺伝子を摂取した一匹は、セメント塗れになった挙げ句、ガーゴイルよろしく石像化した。しかもわざわざ自分から建物の屋根に登ってポーズを決めてから、という余計なサービスつき。誰得。
スタッフの悪ノリ!トランプいじりと社会風刺
グレムリンの悪ふざけと悪ノリ、そして喜劇とも取れる死に方が印象的な本作。しかしスタッフも相当悪ノリしている。
本作の主要人物の一人であるクランプ会長は、不動産王を自称している。
あれ? アメリカに似たような名前で不動産王って呼ばれている人いなかった? もしかして:トランプ
また、社会風刺の一環なのだろうが、本作ではモラル面で問題ありの人たちが存在する。その筆頭がビルの上司のマーラだ。
マーラは、モラハラをしていたビルが出世株になった途端にすり寄ってくる。さらにビルを強引に食事に誘うのだが、その際に足で股間をなでるというセクハラもかます。
モブキャラではあるが、人を突き飛ばして謝りもせずに進んでいく通行人がいる。こういった社会風刺ネタも盛り込まれている。
メタフィクションネタやパロディーも完備済み
悪ノリは社会風刺だけでない。好き嫌いわかれるメタネタやパロディーも含まれている。
映画評論家らしき人物は、「グレムリンを見るなら歯医者の治療のほうがマシ」と酷評している。なお、直後にグレムリンに襲われ、「10点満点」と言い直す模様。
さらに、プロレスラーのハルク・ホーガンが本人役で出演し、映写室でふざけるグレムリンたちに「さっさと“グレムリン2”を始めろ」などと言い出す始末だ。
また、開幕早々バッグス・バニーなどのカートゥーン・アニメのキャラまで出てくる。
本当に初っ端からなので、「あれ、グレムリン2じゃない?」なんて勘違いしそうになる。しかし、すぐにグレムリン2のタイトルが出てくるのでご安心を。出てこなかったら本当に見る作品間違えている。
ついでにギズモはランボーの大ファンである。終盤ではランボーの言葉を胸に筋トレに励んだり、ハチマキを頭に巻いたりしている。筋トレは役に立たなかったが。
こんな具合におふざけが至るところに仕込まれているのだがが、ちょっとふざけ過ぎな気もする。人によっては寒いと思うかもしれない。
スタッフの悪ノリを気にせずにグレムリンの死に方を楽しもう
スタッフの悪ノリや悪意がいろいろと盛り込まれているのも本作の特徴だ。…なのだが、少々やりすぎていて、人によっては鼻につくかもしれない。
こういう悪ふざけが嫌いな人は、本作を視聴するのはやめておいたほうがいいだろう。
気にならないのであれば、嫌なやつがひどい目に遭う様やグレムリンたちの色々な死に方を気楽に楽しもう。