『マジック・マイク』華やかな男性ストリップの世界と裏側の泥臭い現実
華やかな男性ストリップの世界と、裏側にある泥臭い現実を描いた『マジック・マイク』。
主役のマイクを演じたチャニング・テイタムはストリップダンサーの経験があり、彼の実体験が脚本に影響を与えている。そのためか、予告では「実話に基づくサクセスストーリー」だの「夢を叶えた男」だのうたっている。
しかし実際には、男性ストリップの頂点にいたマイクが、様々なトラブルの果てにストリップ業界を去る話である。なんでサクセスストーリー扱いするかなあ?
本作は予告のような明るく前向きな作品ではない。力強さとキレのある性的なダンスを挟みつつ、男性ストリッパーの悩みや没落が丁寧に描写される。意外と社会派な作品なのだ。
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『シャイニング』人の狂気を描いたホラー映画の金字塔
ホラー映画と言われて、どんな作品を思い浮かべるだろうか? 幽霊が人を呪うオカルトホラーだろうか。
『シャイニング』はホラー映画の金字塔と称されることも多く、悪霊も出てくる作品だ。しかし、本作をホラーたらしめているのは幽霊ではなく人の狂気だ。
本作では、音と映像でびっくりさせるホラー演出はほとんどない。そのため、人によっては怖くはないかもしれない。
だが、主人公役のジャック・ニコルソンの怪演で表現された狂気はそうそう味わえない。人間の異常な言動による恐怖を感じたい人は、1度は見ておくべきだ。
4K ULTRA HD【予告】『シャイニング』10.30リリース
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『フッテージ』ダメな部分も目立つが不気味なフィルム映像は評価できる
『劇場版美少女戦士セーラームーンR』は『Crystal』から入った人にも見てほしい
美少女中学生5人組が悪と戦う変身ヒロインもの『美少女戦士セーラームーン』。1992年から1997年に放送されたアニメだが、いまだに根強い人気がある。
2021年には新作の『美少女戦士セーラームーンEternal』が前後編の劇場アニメとして公開予定だ。
『劇場版美少女戦士セーラームーンR』は1993年に公開された『セーラームーン』初の映画作品だ。内容も力が入っており、上映当時のアニメシリーズの集大成とも言うべき作品になっている。
孤独と人の絆を描いたストーリーは出来が良く、大人でも感涙モノだ。『セーラームーン』好きでも『Crystal』から入った人は見たことがないかもしれないが、ぜひ見てほしい。
【予告編#1】劇場版 美少女戦士セーラームーンR (1993) - 三石琴乃,荒木香恵,緑川光 原題:Sailor Moon R
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『サプライズ』犯人たちを1人ずつ血祭りにしていく女主人公の存在が驚き!
とある理由でサバイバル能力に優れた女主人公エリンが、襲撃してきた犯人たちを返り討ちにするスプラッター映画『サプライズ』。
原題は『You’re Next』で、「次はおまえだ」という意味だ。当初は犯人たちが被害者に向けた言葉だったものの、最終的にはエリンの所業を表した言葉である。
序盤は窓に映る不審な影などホラーっぽい演出もあるが、決して怖い映画を期待してはいけない。人によっては思わず笑ってしまうシーンや描写がいくつもあるためだ。
しかし、最後までスリラーとしての緊張感は意識されており、黒幕は誰かを考えるミステリー要素もある。グロ耐性があるのなら、本作の犯人探しをしてみるのもいいかも。
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『トゥルーマン・ショー』全世界から見世物にされる男の選択は?
離島・シーヘブンを舞台に、全世界から見世物にされている青年・トゥルーマンを描いた『トゥルーマン・ショー』。
非常に評価の高い作品で、1998年度(第56回)のゴールデングローブ賞、1999年のヒューゴー賞とサターン賞を受賞している。
序盤は面白みに欠けるものの、トゥルーマンが真相を知ろうとする中盤から面白くなる。根気強く彼の奮闘を見守ってほしい。
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『MAMA』幼い姉妹に執着する悪霊と血の繋がらない母子の愛
幼い姉妹にまとわりつく悪霊の恐怖を描いたホラー映画『MAMA』。
制作総指揮のギレルモ・デル・トロは、『パシフィック・リム』や『シェイプ・オブ・ウォーター』の監督でもある。2019年には『スケアリーストーリーズ 怖い本』も手掛けた。
本作は、MAMAが自分から姉妹を奪おうとするものに悪意を向けるホラー映画だ。悪霊だけあってMAMAはかなり自分勝手なため、人によっては怒り心頭かも。
しかし、血の繋がらない赤の他人が母娘のようになっていく作品でもある。ホラーはもちろん、家族愛をテーマにした映画が好きな人にもおすすめしたい。
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